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30代の医学部受験は高リスク過ぎだった。医学部再受験はあまりにも沼だったので諦めた話

30代の医学部受験は高リスク過ぎだった。医学部再受験はあまりにも沼だったので諦めた話

 

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私の家族構成

私(30歳、妻(30歳)、長男(2歳)、次男(1歳)の4人家族家族

 

 

勉強期間はどうだったか?

一年半程度は一日も欠かさず毎日勉強しました。

 私が医学部再受験を開始したのは、2018年の6月、次男が生まれて、そこから1年間の育児休業を取得したことがきっかけで勉強を開始しました。

 勉強上記の通り、勉強時間はその他の受験生とは比べ物にならない程少なくなってしまう為、とにかく毎日勉強時間を捻出することに注力していました。

 

 

 

モチベーションも高かった

 私の場合、モチベーションを維持している理由の大部分は『医師は高収入である』というイメージが大きかったです。家族を持っていいると、それなりの収入は必須なので、医師になれば今よりもランクの高い生活が出来るというイメージが私のモチベーションの支えでした。

 

『合格するまで頑張る』

『合格するまではお酒は飲まない』などとやる気は十分にある状態でした。

実際、勉強期間中は、お酒も飲まないで勉強していました。

 

 

 

実際に勉強も進んでいた

 私の場合、高校時代からあまり数学が得意ではなく、数学Ⅲに関しては初学の状態のスタートでした。勉強して半年後のセンター試験では数学Ⅲをほとんど勉強していない程度の進捗状態でしたが、勉強開始1年経過した時点では数学Ⅲも全範囲目基礎的な問題が解ける程度にはしていました。

 

 なかなか、一日かけて模試を受験する時間を捻出する事も困難でしたが、センター試験や志望大学の過去問を解いている感じだと、そう遠くない未来に合格圏内に突入出来ると感じることが出来るレベルまではいけました。

 

 

 

私が医学部受験を断念した理由

 

十分な勉強時間出来ない

 医学部受験予備校によると、高校生や浪人生に比べ社会人経験のある人は短時間で成績を上げる人が多いそうです。(明確な統計がある訳ではありませんが)

 しかし、そうはいっても本業、家事・育児(年子育児)と並行して十分な勉強時間を確保することは私には難しかったようです。

 

 

 

本業にも支障が出始めた

 私は想像以上に真面目でした。勉強するのであれば自分の時間全てを勉強時間に注ぎたいという気持ちが強く、本業をしている時間が苦痛になってしまいました。元々、本業の看護師という仕事に対して高い意識を持っているつもりはない物の、やるからには、必死になって学び、取り組みたいという性格でした。

 なので、『受験勉強もしたいけど、本業もしっかりやりたい』という葛藤でドンドンストレスを貯めるという悪循環に陥っていました。

 

 

 

センター試験の終了

 2020年でセンター試験が終了し、2021年から大学入試共通試験にシフトチェンジすることが確定しました。大学入試共通試験では試験時間などが明確に発表されましたが、出題内容などの詳細はブラックボックスです。(センター試験は30年の歴史のなかで難化し続けてきたので、大学入試共通試験の方が問題が易しいという意見もありますが....。)

 

 センター試験であれば、今まで受験経験がある分、有利に戦うことができても、大学入試共通テストに関しては、データが無い分少なくとも有利に闘うことは出来なくなってしまいまいした。その点も、私が医学部受験をきっぱり諦めることが出来た一つの理由です。

 

 

何をしていても楽しくなくなった

 医学部受験は難関試験であり、合格することで多くの社会的メリットを受けることは間違いありません。そのメリットをモチベーションに受験勉強に励んでいた私でしたが、家族がいる以上果たさなければならない役割がありました。

 

 その代表として、父親として子ども達を外出させて遊ばせてあげることでした。しかし、勉強が頭から離れず子ども達と真剣に遊んであげることも出来ないという葛藤との闘いを余儀なくされてしまうのです。

 

 

 

医師になること自体のコストパフォーマンス

現在30歳である自分がこれから医大に合格して、40歳になったと想定した場合、医師としてせいぜい30年程度しか活躍することは出来ないでしょう。

私は家族がいる関係上、『お金を稼ぐというタスクは最優先事項であることを考えると、あまりにリスクが大きすぎる。』という結論に達しました。

 

 

 

 

医学部受験を断念してみて

 上述の理由から、私が医学部受験を断念することはそれほどハードルが高い事ではありませんでした。医師になるという夢を自ら断ってしまいましたが、その分得ることが出来た物も多いので紹介したいと思います。

 

 

精神が安定した

 受験勉強をしている期間はずっと勉強の事が頭から離れませんでした。今振り替えると完全に病気ですね。

 医学部受験は、いくら勉強しても不安を取り除くことは出来ず、合格したとしても医師として働くまでに6年間かかるというリスクもあります。私の中で6年間というコストも引っ掛かっていたので、受験勉強を辞める事でストレスが大幅に軽減されました。

 

 

多くのことにチャレンジする希望が湧いた

 受験勉強を通じて時間の有限性を嫌というほど体感する事が出来ました。また、医学部受験を辞めた分、時間が生まれました。医学部受験を辞めたとしても、これからは一家の大黒柱として稼ぎ続ける必要があります。

 この為には、まず行動しなければなりません。無限にある選択肢の中から自分に合っている物を模索していくことが出来るというだけで、ワクワクしています。

 

 

レジャーを楽しめるようになった

 これは本当に大きな変化でした。

 受験勉強している間は勉強の事ばかり考えていました。勉強以外のことをしている時間は『こうしている間にも勉強している人がいる。』という思考が頭に浮かんでしまい、何をしても楽しく感じることがなくなってしまいまいした。

 

 『受験勉強は今の自分には向いていない。』と結論が出たことで、キッパリ受験勉強を辞めることが出来、今は家族との時間を楽しむことが出来るようになりました。

 

 

 

辛いならとっとと諦めたら方が良い

 再受験は控えめにいっても辛すぎる。

 これは1年半勉強し続けてきた感想です。ましてや、高校生や浪人生が一日中勉強出来るのに対して、社会人が同等の勉強時間を確保することは困難を極めます。

 何もかもを投げ捨てて勉強に注力するのも、一見勉強に注力できて幸せそうに見えて社会がから取り残されている感覚から焦ってしまいそうです。

 

 

 

30代は勝負の時期

 30代は自分キャリア形成において、最重要な時期といっても過言ではないです。その重要な時期を受験勉強や大学での勉強に充てることが、自分にとってベストな選択かと言われると懐疑的です。

 30歳からの10年間は多くの人の場合、ライフスタイルが大幅に変化する時期です。それと並行して医学の勉強をしていくことは不可能ではないと思います。しかし、結婚していれば、パートナーに大きな負担を与えるなど、高いリスクを背負う事となります。現実的に考えて、その辺も加味しなければならない時期なのです。

 

 

いくら頑張っても合格する保証はない

 医学部受験は他学部と違い、いくら勉強しても合格出来ないという可能性があります。今まで合格してきた人は、合格した人の数十倍の不合格者という屍の上にに運よく立っているにすぎません。

 

 

受験勉強は楽しい。だからこそ 

 この1年半を振り返ると、辛いけど、毎日成長している実感が持てる楽しい時間でした。また、合格したら楽しい生活が待っているという淡い期待をしながら、勉強し続けるのは楽しいのです。

 だからこそ、医学部受験って辞められないんですよね~笑。まさに沼。家族がいなかったら、自分の人生全部費やしかねないほどです。

 

 かといって、自分の人生を医学部受験にだけ費やすなんて非効率すぎるので、私は撤退しました。世間的には『諦める=悪いこと』という風潮がありますが、こと医学部受験に関しては、別問題だと思っています。努力しても100%合格出来る訳ではないので。

 

 医学部受験はまさに沼ですね。30代から医大受験して医師になるは本当に尊敬します。目標に向かって努力出来る人って本当に素敵だと思うので、僕の分までぜひ頑張って欲しいです!